導入前:手動で時間のかかるプロセス
Western Digitalの物流コントロールタワーチームは、社内と社外の両方のコミュニケーションに、グローバルな個人配布リスト(PDL)のEメールアドレスを使用しています。このPDLに送信されるEメールは多岐にわたり、出荷報告や輸送地照会、紛失や破損、配送や請求の問題など、さまざまなトピックをやり取りします。そのため、Eメールトラフィックは週間平均約8,000~10,000通に達しており、四半期末にはさらに多くなります。
このように大量のEメールトラフィックがあることで、Western Digitalでは次の問題が発生していました。
- 大量のEメールを確認するのに膨大な時間がかかり、作業効率も低い
- Eメールが見過ごされたり遅延したりし、重要なメッセージが対処されないこともある
- Eメールの応答時間を十分に評価できない
- フォローアップアクションの優先順位付けを十分にできない
以前は、Western Digitalの物流コントロールタワーチームはこのような何千件ものEメールを手動で分析しようとしており、2~3人の従業員で並べ替え、分類、注釈付け、評価を行うのに2週間以上かかっていました。
Dataikuを導入すれば、Eメールをトピック(カテゴリ)別に高精度で自動的に並べ替える、より良い方法があることがわかりました。Eメールのカテゴリと送信者プロファイルを把握すると、緊急の問題や重大な問題をより迅速に特定して対策を講じることができるようになり、その結果、応答時間を短縮し、顧客満足度を高めることができました。
現在、Western DigitalがDataikuを使用して構築した自然言語処理(NLP)ベースのEメール分類システムは、次の処理を行うことができます。
- 週に10,000通のEメールを自動的に抽出、分析、ラベル付け
- 80%を上回る分類精度を実現
- データのインサイトに基づくアクションでEメールトラフィックを17%削減(従業員の時間を月間100時間節約)
- Eメールの応答時間を20時間以上短縮
では、Dataikuでこのソリューションをどのように構築したのか、さらに詳しく紹介します。
導入後:自動プロセスで管理性と顧客満足度が向上
Western Digitalの物流コントロールタワーチームは、高度な分析と物流のチームのデータサイエンティストと協力して、Eメールの課題に対応するソリューションを構築しました。テキスト分析とデータ視覚化を行うこのオールインワンソリューションでは、Eメールをトピック別に分類し、カテゴリごとの平均応答時間を数値化し、社内と社外の主要なサービス要求者を顧客プロファイルに従って識別することができます。
これをDataikuで実践するにあたり、複数の主要機能およびプラグインとコネクター(英語)を利用することで、ソリューションの構築と保守にかかる時間を短縮することができました。例えば、大規模なデータセットに注釈を付けるのは難しく、時間がかかるものですが、DataikuのML支援型ラベル付けプラグイン(英語)を使用することにより、複数チームの対象分野の専門家がシームレスに共同作業できるようになりました。
さらに、Western Digitalは、テキストのトークン化、テキストの簡素化、ストップワードの削除など、Dataikuに組み込まれているNLPプリプロセッサーライブラリー関数を使用しました。これらの関数により、ボタンを数回クリックするだけでテキストデータを正規化することができました。事前トレーニングされたSpacyモデルの固有表現抽出など、他のDataikuプラグイン(英語)は、インサイトを抽出してデータを理解するのに役立ちました。すぐに利用できるこれらの機能により、開発時間全体が短縮され、データサイエンティストはデータの分析に集中できるようになりました。
データサイエンティストがプロジェクトに取り組む一方、チームはモデルの構築と比較の時間を短縮するDataikuのAutoML機能(英語)も利用して開発スピードを高めました。また、Western DigitalはDataikuのMLOps機能を使用してシナリオを構成し、データ抽出とモデル推論を毎週実行しました。その結果、推論パイプラインを構築する開発時間を数週間分、短縮できました。
エンドユーザーの観点では、Western DigitalのチームはDataikuを使用して、抽出されたメトリクスの視覚化を簡単に構築できました。データをTableauサーバーに簡単にエクスポートできるようにするTableauハイパーフォーマットなどのプラグイン(英語)は特典であり、今後も継続的な改善と柔軟性をもたらします。