Ørsted: LLMを活用したニュースダイジェストで市場動向を追跡

Ørstedでは、生成AIの導入により、時間効率の高い完全自動化ニュースダイジェストを提供して、経営幹部がシンプルな方法で業界の動向をつねに把握できるようにし、グリーンエネルギーで動く世界を実現するというミッションを支援するツールを確保しました。

グリーンエネルギー業界は極めて革新的であり、世界に電力を供給する最先端技術の最前線に立つ必要があります。これはタービンから造船所まで、エネルギーバリューチェーン全体に当てはまります。Ørstedは、マクロ経済を念頭に置き、可能な限り自動化を進めて最小限の労力で最大限の価値を生み出すために、大規模言語モデル（LLM）を含めた従来型AIと生成AIの両方のAIドリブンプロジェクトの活用法を模索してきました。

LLMを活用したエグゼクティブサマリーでエネルギー業界の動向を追跡

Ørstedは、業界で起こっている関連性の高い出来事について、最新の情報を経営幹部が入手できるようにするため（最終目的として、意思決定に必要な情報を提供するため）、プロプライエタリのニュース記事を活用しています。しかし、毎日300～500件もある記事のすべてに1人で目を通すことは不可能であり、複数の人で要約を作成していたため、情報の流れが完全には統一されていませんでした。

そのため、共通のビジョンを包含しながら上層部のニーズに合わせることもできる自動化ソリューションを探すことになりました。Ørstedは、DataikuプラットフォームでAzure OpenAIのLLMを活用する2023年の契約をDataikuと結び、毎日のニュースダイジェストの次の2つのバージョンを自動的に生成できるようにしました。

1. 上層部向けのエグゼクティブ版で、関連性の高い上位10件の記事を掲載
2. 毎日最大50件の記事を掲載する総合版で、内容はより詳しく、上層部と他の従業員の両方が閲覧可能

Ørstedのソリューションは、ソース、トピック、テクノロジー、市場、競合他社などのフィルター処理と優先順位付けを自動化し、関連性の高いニュースを従業員に提供します。

Ørstedにとって、これはAI活用による業務効率化の序章にすぎません。 Benoît Lacharme氏 Ørstedインテリジェンスマネージャー

時間節約 + 生成AIの可視化

AIを活用したニュースダイジェストはすぐに人気を集め、開始から1週間以内に登録者数が500人を超え、担当部門は2025年に向けて野心的な成長目標を設定しました。導入した要約が幅広い利用者に浸透したことで、Ørstedでは、市場動向に対する理解が確実に深まっています。

ニュース要約プロセスの自動化により、手動のアプローチより大幅に時間を節約でき、経営幹部は要約されたコンテンツから市場の出来事をすばやく確認できるようになりました。

ØrstedにAIプラットフォームが導入されたのは、データサイエンスと機械学習の民主化によってAIリテラシーとAI活用を推進したいというIT部門のビジョンがあるためです。この取り組みは、試験運用から本番運用までの道筋を加速することで、データサイエンスプロジェクトの市場投入までの時間を短縮する大きな可能性を示しています。

当社のビジネスがこのテクノロジーとAIに取り組んでこれを導入し、デジタル化の戦略と変革に組み込んでいることをたいへんうれしく思います。 Nicolas Matteazzi氏 Ørsted、アーキテクチャーおよびテクノロジーIT、シニアリードエンタープライズアーキテクト

Ørstedの今後の展望

概して、Ørstedには価値創出の観点から生成AIで何ができるかを探求する強い意欲があり、Dataikuはその促進剤の役割を果たすことができます。Ørstedは現在、次の2つに注力しています。

• 分析とAIの民主化を推進して、データを従業員の手に届け続けること
• 世界のグリーンエネルギーのフットプリント拡大に重点を置いた、エンジニアリング、オペレーション、トレーディングなどの基幹業務の高価値ユースケースに関わる、よりマクロ的かつ変革的な取り組み

この2つの路線は密接に連携しており、1つ目は生産性と基盤構築に重点を置き、2つ目は競争的差別化を推進する挑戦的なユースケースに重点を置いています。その目的は、AIコミュニティーを継続的に拡大させ、この機運を活かして最先端技術で事業を推進することです。

私たちにとってAIの民主化は、組織内のAIリテラシーを高め、人々が必要とするツールとプラットフォームを提供することです。 Heidi Østergaard氏 Ørsted、デジタル革新責任者