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Munich Re:Dataikuとの連携でAIの民主化を達成

Munich ReのAndreas Bayerstadler博士が、Dataikuとの緊密な連携により、シチズンデータサイエンティストプログラムを利用してAIの民主化を実現する方法を紹介します。
 

Munich Reの中央分析責任者であるAndreas Bayerstadler博士が、2023年のDataiku Everyday AI Conferenceのフランクフルトセッションの一環としての講演で、AIの民主化に関する総合的なガイダンスを提供しました。

シチズンデータサイエンティストプログラムの構築

Bayerstadler氏は、Munich Reの業務範囲とリーチについての説明から始めました。「データ分析に関しては、包括的な生命保険と健康保険、損害保険、第一次保険など、さまざまな保険商品にサービスを提供しています。装置や自家用飛行機などを対象とする特殊保険も扱っていますが、主に企業と一緒に仕事をしています」。

Munich Reのデータ分析チームは、2つの方法で価値を創出しようとしています。第一の方法は、保険の引き受けや保険金請求などの社内プロセスを支援することです。第二の方法は、元受保険会社にサービスを提供して、データについて理解し、リスク評価を実行し、データに基づく意思決定を行えるようにすることです。このような価値を創出するための重要な要素として、Bayerstadler氏はデータ、人、テクノロジーを挙げました。

Bayerstadler氏は、人とテクノロジーの両方についての理解を確固たるAIの民主化につなげる方法を説明しています。

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専門家のコアネットワーク

Munich Reでは、長年にわたり培ってきた「多くの分野とさまざまな業務に関する専門知識」と、AIに関する専門知識の技術的な柱を結び付けています。また、豊富な経験をさらに活用するため、資格取得とスキルアップに注力し続けています。

当社のデータサイエンスチームとデータ分析チームは、世界中で成功を収めています。さらに、多くの従業員それぞれに応じたトレーニングを提供しています。

— Munich Re、中央分析責任者、Andreas Bayerstadler氏

Munich Reのスタッフは非常に深い専門知識を備えています。自然科学、数学、物理学の知識を持っているかどうかにかかわらず、各自に合わせて作成されたトレーニング計画によって、このようなレベルまで専門知識を拡大することができたからです。「当社では、シチズンデータサイエンスプログラムを考案しました。これは『有段者向け』プログラムです」とBayerstadler氏は言います。

技術的知識を持たない従業員には、スキルアップの機会も提供すべきであるとBayerstadler氏は付け加えました。「まもなく『初級者向け』プログラムも立ち上げるところです。数式がちょっと苦手な従業員のモチベーションも高めたいと考えているのです。その取り組みの中で、Dataikuは重要な部分を占めています」。

メンタリティの変化

Bayerstadler氏によれば、社内での一貫したクロススキリングの中心となるのは、扱いにくいデータの管理から高度な分析へと発想を転換することです。「当社の保険引受人は、複数のクライアントのデータをさまざまなフォーマットで使用し、管理しています。中にはこの作業に苦戦している人もいます。彼らには、より高度な分析を行えるようになってもらうつもりです。クラスタリングのような簡単なことから始めて、ディープラーニング手法、LP手法、生成AIへと進んでもらうのです」とBayerstadler氏は説明しました。目標は、自動化や効率向上にとどまらず、データに基づく意思決定をより的確に下せるようにすることです。

DataikuがMunich Reの技術的知識の構築を支援

Dataikuのソリューションは、Munich Reが生成AIを設計し、利用できるようになるのに役立ちました。Bayerstadler氏は、「社内の全員を対象とするデータリテラシープログラムから始まりました」と述べています。

Dataikuの協力により、このテクノロジーの利用がはるかに簡単になりました。技術的エンゲージメントが得られ、実際にデータを使って作業を行えるようになったのです。

— Munich Re、中央分析責任者、Andreas Bayerstadler氏

Dataikuは、個人に合わせてカスタマイズしたコースで、Munich Reにすでにいる「有段者」を引き続きサポートしています。経験豊富なユーザーはコーディングやPythonに慣れ、AIや機械学習のより複雑な設定を利用しています。「初級者」向けに同様のソリューションを導入するには、コーディング要素を取り除く必要があります。

「素晴らしいことに、ワークフローのプラグインとしてAIベースのデータ管理機能がすでに多数あったので、あらゆる種類の分析作業を実際に行えるフロントエンドをDataikuを通じて提供することができました」とBayerstadler氏は説明しました。この違いは、「初級者」にとっては特に重要です。

詳細については、Dataikuが保険会社を支援している方法をご覧ください。

ゆくゆくは、独自の言語モデルをホスティングしてトレーニングし、Dataikuを通じて利用できるようにしたいと考えています。

— Munich Re、中央分析責任者、Andreas Bayerstadler氏

さらなる民主化に備える

Bayerstadler氏は、長期間にわたってスキルを磨き続ける継続的トレーニングの重要性を強調します。

Bayerstadler氏によれば、このプロセス全体を通してのコミュニケーションも成功の鍵です。「人々を巻き込み、潜在的ユーザーにリーチし、重要なユースケースを特定してから、1つの話題としてツールやAIの価値を示し、拡張して、AIを活用したビジネスに利用する必要があります」。全体的に見て、可用性と使いやすさを向上させるためのMunich Reのアプローチは、社内の経験や専門知識と入手可能なAIに関する技術的知識を結び付け、賢く組み合わせたものです。