オンラインマーケットプレイス会社であるMercado Libreにデータおよび分析チームができて約10年になります。現在では、400人が役割に応じてさまざまなチームにわかれています。
フィンテックやコマースなど、Mercado Libre内の最も重要な業務部門をサポートする業種別のチームもあれば、データチーム全体やMercado Libreの全社員が機能を簡単に利用できるようにすることに責任を負う社内横断型のチームもあります。このようなチームは、データツールの管理と開発、新しいデータ製品の作成、データガバナンス、データカルチャーを担います。
現在、Mercado Librには2,000人以上のデータサイエンティストがいて(その一部は業務部門に所属)、毎日100を超える取り組みによって業務に影響を与えています。Mercado Libreが開催した生成AIについてのハッカソンでは、200件以上のアイデアが生まれました。そのうち10件は真剣に検討が行われています。
すでに洗練されている分析と上記の情報から明らかなAIプラクティスを備えたMercado Libreが、潜在的な新規顧客を見つけやすくすることを目的とした具体的な取り組みで、イノベーションと成長を促進している方法を説明します。それは類似オーディエンスです。
類似オーディエンスツールの概要としくみ
新規顧客を獲得し、離反を防ぎ、クロスセルの機会を創出するため、マーケティングチームと業務チームは毎日多数のメッセージを(Eメール、デジタル広告スペース、プッシュ通知などで)送っています。キャンペーン全体のコンバージョン率を最大化するため、このようなアクションを正確に実行したり、影響力の強いコンタクト戦略を策定したりするには、Mercado Libreがユーザーのプロファイルについて深く理解する必要がありました。
Mercado LibreのチームがDataikuを利用する主なユースケースは、類似オーディエンスツールの開発と導入です。このアプリケーションは、開発や分析の経験がないユーザーと、これらの分野の専門知識を持つユーザーのどちらにも役立ち、有益なツールを提供します。
具体的には、Mercado LibreはDataikuで初期のユーザーベースを利用して予測モデルを生成し、これらのユーザーを最もよく表す特徴を特定することができました。このタイプの予測モデル(類似モデル、または類似オーディエンスモデル)を使用すると、今後ユーザーになる可能性がある人を予測して、マーケティング活動のターゲットをスムーズに設定できるようにしたり、顧客獲得戦略を改善したりできます。
エンドユーザーは、プロジェクトの強化やアップデートの指針として役立つフィードバックを提供することで、このプロジェクトの発展に関与しました。チームはDataikuの機能を利用して、Mercado Libreのデータの使用に合わせて類似オーディエンスアプリケーションをカスタマイズし、ユーザーによる導入を簡素化したり、ユーザーフレンドリーなインターフェースを提供して自律的で手間のかからないテストを行ったりすることができます。
適切なタイミングで適切なユーザーに適切な価値提案を行う
Dataikuの導入前、このユースケースの実現プロセスは、Mercado Libreで一般的に使用されているさまざまな方法と似ていて、主に機械学習に基づいてマーケティングオーディエンスを作成するというものでした。しかし、類似オーディエンスによるアプローチは明らかに異なり、包括的な顧客インサイトを利用してターゲットオーディエンスをすばやく複製し、360度ビューを提供するというものです。
類似オーディエンスアプリケーションの進歩につれて、短い開発期間でデータサイエンティストではないユーザーも優れた成果を出せるようになったため、採用率が高まっています。この値はキャンペーンの現在の指標値を上回り、マーケティング戦略の強化に効果的であることを示しています。