Daviviendaは、データに関する課題の革新的な解決策としてDataikuを採用し、プロセスを変革して複数の取り組みを成功させ、その効果を持続させています。これらのユースケースを導入したことは、金融業務だけでなく、Daviviendaのさまざまな業務に多大な価値をもたらしました。
Dataikuの主要機能により、チームの作業の質と速度の向上、既存のインフラストラクチャーとのシームレスな統合、効率化、冗長性の削減が可能になりました。また、Dataikuがリスク管理と透明性に果たす役割によって、組織のガバナンスと統制を維持する能力を高めるとともに、従業員がデータとインサイトを活用しやすくすることができました。
DataikuとDaviviendaの継続的なコラボレーションは、敏捷性と先見性を備えたテクノロジーを活用する明るい未来の先駆けとなります。
ここでは、現在同行で実用化されているユースケースをいくつか取り上げ、同行におけるデータとAIの進化の一部を紹介します。
金融包摂の課題をレコメンダーシステムで解決
Daviviendaは、2011年に開始したDaviviPlataというプロジェクトで、コロンビアの低所得層を対象とする金融サービスの完全民主化を目指しています。しかし、DaviPlataにはユーザートレーサビリティーがなく、商品オファーをパーソナライズする妨げとなっていました。Daviviendaはこの障壁に気付き、プロジェクトの既存の基盤と協調できる適切な解決策を探しました。
Dataikuは、さまざまな異なるソースからの過去のデータと新しいデータをデータチームが統合できるようにして、Daviviendaにフィールド認識型因数分解機レコメンダーシステムを導入可能にし、1,210万人の顧客に金融商品をオファーできるようにしました。これは、このソリューション導入前と比べて423万人の増加です。このレコメンダーシステムにより、Daviviendaは画期的な方法で低所得層に金融サービスをオファーできるようになりました。
包括的顧客スコアによる業務の合理化
Davivienda内の多くの部門には、それぞれ独自の顧客セグメンテーションと優先順位付けのシステムがあり、これらのシステムは一貫性がないことが多く、(統計分析やAI技術ではなく)主観的に選択された変数に基づいていました。例えば、信用リスク管理部門は信用スコアに基づいて優良顧客を選んでいるのに対し、信用貸付部門は顧客の残高に基づいて金利割引を選んでいました。
Daviviendaは、統一された優先順位付けシステムの必要性を認識し、部門間で顧客の優先順位付けに一貫性がない状況を改善するため、包括的顧客スコアと名付けた指標を開発するプロジェクトを開始しました。
チームにはデータサイエンティスト、ビジネスアナリスト、CDO担当者が参加しており、現在、Dataikuを活用してClouderaに接続し、パーソナライズされた最適化手法を開発しています。Dataiku内でシームレスに実行されるエンドツーエンドのプロセスは、チームの日常業務を変革し、データドリブンの意思決定とリソース配分を強化しました。包括的顧客スコアプロジェクトは、約260万ドルという驚異的な投資効果を生み、そのすべてを最小限のコストで実現しました。
パーソナルバンキング顧客の信用リスクスコアを導き出すソリューションの構築
Daviviendaの銀行融資商品は、顧客の申請に基づく場合と、クレジットキャンペーンに基づく場合があります。前者のフォローアップアクションでは、申請された与信の承認、修正、却下のいずれかを判定する必要があります。後者の場合、銀行が内部調査を実施し、金融行動が良好な顧客を探して、銀行のポートフォリオの一部である融資商品をオファーします。
しかし、従来のハードリスクポリシーに基づく顧客選別は制約が多く、潜在顧客へのアウトリーチが限定されていました。このような場当たり的なアプローチでは、銀行内のさまざまな部門間で結果に一貫性がなくなるだけでなく、顧客の評価に利用できるあらゆる情報を完全に把握することができませんでした。これがプロセス間の摩擦を生み、顧客ファネルのボトルネックとなっていました。
Daviviendaはこの障壁を克服するために、Dataikuを使用して、パーソナルバンキング顧客の信用リスクスコアを生成するようにトレーニングされた予測モデルを作成し、エキスパート主導のフィルターの代わりに高度なデータサイエンスのアプローチを採用して、意思決定の枠組みを作り替えました。Dataikuがこのユースケースにもたらした主要な利点には次のものがあります。
- このモデルは30以上のフィーチャーを持つ1,500万件以上のレコードで実行されるため、ローカルでの実行が難題でした。Dataikuはこのようなボリュームを処理でき、フレンドリーなユーザーインターフェースを提供することができました。
- 信用リスクマネージャーは演習やテストを頻繁に要求します。Dataikuの柔軟なパイプラインにより、チームはこのような要求に対して1日以内に結果を返すことができるようになりました。
- Dataikuでは、CRISP-DM手法のほとんどのステップを1つのインターフェースで実行できます。
この革新的なパートナーシップは顧客評価に大きな変革をもたらし、顧客クレジットキャンペーンのファネルは月間230万人から370万人へと140万人も急増しました。その効果はクレジット支払い行動にも表れ、債務不履行確率は4.9%から3.8%へと大幅に減少しました。
財務健全性指標(FHI)の改善による顧客インサイトと回収戦略最適化の強化
Daviviendaでは、与信の承認において常に債務不履行リスクを抑えるバランスを追求しています。しかし、さまざまな理由から顧客が債務不履行に陥ることは避けられません。そのため、支払いが困難な状況にある顧客に対する積極的な戦略の策定など、回収部門の取り組みに重点を置いた効率的な対策が必要です。最終的な目標は、顧客との良好な関係と適切なサービスレベルを維持しながら、回収率の最大化と業務コストの削減の適切なバランスを取ることです。
Daviviendaは、この目標を達成するために、顧客のライフステージを総合的に把握し、回収戦略を強化する財務健全性エコシステムを開発しました。このエコシステムの一部としてDataikuを使用して開発した支払確率スコアは、顧客の過去の情報、債務、金融部門における行動を考慮に入れたセグメンテーションと機械学習技術を使用して構築しました。最終的に、1つだけではなく18のモデルを作成し、それぞれを特定の顧客層に合わせて調整しました。
この支払確率スコアと、組織のポリシーおよび考慮事項を併せることで、顧客ごとに調整された堅牢な回収戦略を策定することができました。
Dataikuが提供する直感的なインターフェースを使用して、合計約2,000万件に及ぶ大量の顧客情報を処理して活用できるようになりました。Dataikuはデータの分析、操作、モデリングの作業を合理化、簡素化して大きなメリットをもたらし、より洗練された効果的なソリューションで当行の信用機関におけるポートフォリオ管理と回収の課題を解決することができました。
金融サービスにおけるAIの威力の実証
260万ドルの収益増加、1.1%のクレジットカード支払滞納減少、月間140万人のクレジットキャンペーンファネルの増加など、この事例で得られた成果は、Dataikuの機能活用がDaviviendaにもたらした実質的な効果を実証しています。Dataikuは、財務指標だけなく、Daviviendaのオペレーショナルエクセレンス(業務の卓越性)、リスク管理、戦略的意思決定を促進する上でも重要な役割を果たしています。AIの緻密な活用は、他の金融機関も注目するような驚くべき成果を実現しました。