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Convex:DataikuとSnowflakeを活用し、広範囲にわたってデータを民主化

Convexは、アクチュアリー(保険数理士)チームをはじめ、社内のあらゆる部門のビジネス機能にデータサイエンティストとデータエンジニアを組み込み、アンダーライティング業務を効率化するとともに、データにもとづく意思決定を強化しました。

1時間

最新データにもとづく責任準備金レポートの生成に要する時間(Dataiku導入前は数日)

1週間

全体的な準備金額のレポート生成に要する時間(Dataiku導入前は5か月)

 

特殊保険会社であるConvexでは、アクチュアリー、アーキテクト、ビジネスアナリストのどの役職においても、データこそが意思決定の基盤になります。同社は、機械学習(ML)とAIを利用して、適切なガードレールと監督の下で、すばやく、簡単に、スケーラブルな方法で仮説を構築、証明できるソリューションを実現したいと考えていました。

そこで目に留まったのが、DataikuとSnowflakeです。

  • Dataikuは、社内のビジネス機能にデータエキスパートを組み込み、データプロダクトの専門家の知識を広い範囲でタイムリーに活用するのに有効
  • Snowflakeは、データをConvexにすばやく取り込むのに有効

アクチュアリーデータの変換

Convex社内でDataikuを利用している最大のグループは、アクチュアリーチームです。アクチュアリーは、統計学、財務理論、数学の知識を用いて、リスクや不確実性の財務コストを分析します。責任準備金の算定とは、保険会社の保険契約が特定の時点でどれほどの金額になるかを保険数理士が算出するためのプロセスで、この作業の大部分は、将来起きるかもしれない事象についての仮定を導き出し、その仮定を現在のデータセットに当てはめることです。

準備金の算定は非常に難しく、高い可視性を必要とする作業で、基本的にはデータサイエンティストの仕事です。準備金レポートのデータは、社内のアクチュアリーチーム、シニアマネージャー、取締役会、アンダーライターに利用されます。Convexの準備金算定プロセス「ReCon」は、Dataikuのプラットフォームと、SnowflakeならびにPowerBIから構成されています。

Dataikuは、アクチュアリーチームが必要なデータを入手し、仮定を当てはめ、契約ごとの詳細レベルまで分け入った準備金レポートを作成するのに役立っています。このシステムにより、データをさまざまな方法で切り分け、掘り下げが必要な重要情報を見つけ出すことが可能になります。

Dataikuは、データのことなら何でもできるプラットフォームです。 Steve Perry氏 Convex、データデリバリー責任者

Dataikuの自動化とチェック機能により、アクチュアリーチームが準備金算定プロセス全体で使用するデータの更新が容易になり、それまで数日かかっていた処理が、数時間で済むようになりました。この高速化のおかげで、準備金算定の全体的なタイムライン、つまりデータの取得から、情報の分析、アンダーライターとの打ち合わせ、金額についての合意確認、ステークホルダーへの報告までの流れが、5か月から1週間へと短縮されました。

さらに、人員を増やすことなく規模を拡大し、時間の節約だけでなく、Convexにとっての費用対効果も向上させる形で、準備金の算定を効率化できました。

Convexの取り組みは、まだ道半ばです。Dataikuはすでに多くの価値をもたらしてくれましたが、今後もさまざまな計画があります。 Ben Sheldon氏 Convex、グループ最高アクチュアリー責任者

Dataikuセンターオブエクセレンス

Convexは、ベストプラクティスの確立とプロジェクトの一貫性確保を目的として、Dataikuの稼働環境に透明性をもたらす統括組織 、Dataikuセンターオブエクセレンス(CoE)を設置しました。この組織は、プロジェクト権限の検証から、サービスアカウント認証資格の確認、シナリオの整合性の確保まで、幅広い責任を担います。

Dataiku CoEは、プロダクションの候補を先回りでトラッキングし、潜在的な問題を特定し、ユーザー活動をモニタリングすることで、業務の健全性を広範囲にわたってリアルタイムで可視化し、十分な情報にもとづく意思決定を可能にします。この透明なガバナンスフレームワークにより、Convexはリスクを先回りで軽減し、データエコシステムの堅牢性と信頼性を確保できます。

プロセスを合理化し、組織全体の業務を監督するために開発されたのが、Dataikuを利用したインシデント管理ダッシュボードです。このダッシュボードは、失敗したシナリオや、リスクのあるプロジェクト権限、サービスアカウント認証資格のステータス、ユーザー活動といった主なリスク要因をリアルタイムで可視化し、さまざまな重要度の指標と併せて表示します。

ダッシュボードを導入する前は、チームの取り組みがばらばらで、問題が発生してから後追いで対応することがよくありました。今では、リアルタイムの業務状況を一元的に把握し、先回りのアプローチをとることが可能になりました。これにより、問題への対応時間が大幅に減少し、業務効率が飛躍的に向上しました。時間の余裕ができたことで、チームメンバーは後追いのトラブルシューティングではなく、戦略的なタスクに注力できるようになりました。このダッシュボードは、さまざまなPythonレシピ、SQLコード、Dataiku Code Studiosから構成され、ユーザーフレンドリーなStreamlit Webアプリとして、優れたアクセシビリティとユーザビリティーを実現しています。

ConvexはDataikuを採用することで、データの変換やカスタムPythonコードの記述、統合プラットフォームの活用を実現し、技術スタックの大幅な合理化に成功しました。DataikuのAPIを通じたリアルタイムのリスクモニタリングは、後追いのトラブルシューティングから、先回りの問題管理への転換を可能にし、業務効率のさらなる向上に貢献しました。

DataikuとSnowflakeのジョイントソリューション

DataikuとSnowflakeを組み合わせる前は、データプロセスの部分がConvexの課題の大きな要因になっていました。データが複数のデータウェアハウス、アプリケーション、スプレッドシートに分散し、相互の連携がなかったのです。

現在は、重要なデータをSnowflakeに配置し、Dataikuを通じてアクセスする方式をとっています。これにより、当初のスプレッドシート中心のアプローチから脱却し、データの扱い方を統一し、社内のさまざまな場面でデータを活用することが可能になりました。

Convexは、同社が呼ぶところの「データユニバース」を一から構築しました。これは、Convexの全データを取り込む非常に大規模なSnowflakeインスタンスであり、データを整理し、共通化して、ビジネス機能に使えるデータを作り上げます。ConvexはSnowflakeをデータクラウドに選んだことで、データをすばやく取り込み、手軽に共有し、一元化されたアプローチで高度なデータ管理を実現することができました。しかも、柔軟性の面で一切の妥協はありません。

Dataikuのプラットフォームはシンプルで、無駄がありません。必要なツールと言語が揃い、ガバナンスやガードレールの機能も備わっています。 Steve Perry氏 Convex、データデリバリー責任者

アクチュアリー業務と機械学習の親和性

Convexのアクチュアリーチームは、非常に複雑な問題の解決に日々取り組んでいましたが、彼ら自身はエンジニアではありませんでした。この複雑な問題の枠組みを定義し、繰り返し実行できる強固なプロセスへと落とし込むためのプラットフォームが必要でした。

Dataikuを導入することで、アクチュアリーチームはデータをとりまとめて数理的計算を実行するだけでなく、Dataikuの拡張可能でオープンな性質を活かして、RやPythonのパッケージを数理計算に利用できるようになりました。Convexは、Dataikuの次の点を高く評価しています。

  • 導入のハードルが低く、簡単にすぐプラットフォームを活用できる
  • 技術系チームは膨大なデータパイプラインを高度な方法で探索でき、非技術系チームはノーコードのシンプルな方法でデータを扱える
  • スプレッドシートに縛られず、データを使ってしたいことを、高度なコーディング技術がなくても達成できる
  • アクチュアリーチームとデータチームの共同作業が容易になり、アクチュアリーチームが求めていることを適切に表すプロセスを実現できる。さらに、エンジニアリングチームが堅牢で信頼性の高いビジネスアセットを構築し、それをアクチュアリーにテストしてもらうことができる。アクチュアリーにとっては、実稼働の前に動作を確認できるメリットがある
  • すべてのデータ処理を1つの中央プラットフォームに集約することで、データ漏えいや法規制の急な変更にともなうリスクにさらされる可能性を低減できる

Dataikuは、さまざまなステークホルダーをプロジェクトに参加させ、いろいろな領域の専門知識をプロセスに取り入れることを可能にします。データプロジェクトの価値を明確に伝え、立ち上げから本稼働までのすべての段階で価値を共有し、ソリューション開発をスムーズに進めるためには、このようなコラボレーションが不可欠です。

ConvexはDataiku CoEを通じて各プロジェクトを監督し、ベストプラクティスを徹底させることで、全レベルのチームメンバーが信頼性と効率性に寄与する仕組みを実現しています。Dataikuのコラボレーションに適したプラットフォームと、Dataiku CoEの先回りのリスク管理とガバナンスが、イノベーションとオペレーショナルレジリエンスを支える強力でスケーラブルなデータエコシステムの基盤になっています。

Dataikuのおかげで、プロセスを自動化し、Excelから離れて、ビジネス上のインサイトや価値を提供することに時間を使えるようになりました。また、以前よりもデータを使いやすくなり、アナリティクスの活発化につながっています。私のような非技術系ユーザーでも、ノーコードツールを通じて強力なテクノロジーを利用したり、技術系エキスパートとコラボレーションしたりできるようになりました。 Metul Parekh氏 Convex Insurance、アクチュアリー部門ディレクター
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