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金融サービスのコンプライアンスモデル展開の効率化

ある大手金融サービス会社の機械学習エンジニアは、DataikuのAIガバナンスおよびMLOps機能を活用して、125人以上の関係者が従事するミッションクリティカルな大規模ワークロードで潜在的なリスクの検知を支援できるようになりました。

86%

本番用のモデルコードの最適化とリファクタリングにかかる時間を8削減

75%

DataikuのビジュアルレシピとGUIのおかげで、MLエンジニアが書くパイプラインのプロダクションコードを削減

90%

従来のデスクトップ・ソリューションと比較して、導入までの全体的な時間を9短縮

 

ある大手金融サービス会社(以下、「同社」)は、800万人を超える顧客の機密データ、機密記録、高頻度取引の保護および高頻度監視に重点を置いています。また、強力なAIガバナンスにも取り組んでいます。同社は、データガバナンス基準の遵守とAIの説明可能性の強化に加え、すべてのデータ資産に対するコンプライアンスチェックを毎日実施して、市場操作の防止、リスクの評価、顧客の金融資産搾取の予防に努めています。

同社のコンプライアンスチームは、毎日数百万件に及ぶ金融取引から口座レベルの潜在的リスクの指標を特定、予測するために、多数の機械学習(ML)モデルを展開して本番稼働させています。これらのモデルは125人以上の現地監理エージェントを支援し、毎時、日次、月次のコンプライアンスチェックに活用されています。

コンプライアンスモデルの効率的展開を妨げる障害

同社では、2022年にDataikuを導入する以前は、デスクトップベースの複数のオープンソースソリューションを利用していました。全般的にガバナンスが欠如していた上、一元的な展開とパフォーマンス監視が難しく、次のようなさまざまな課題によって、これらのモデルのメンテナンスは煩雑で非効率になっていました。

  • 本番稼働まで非常に長い時間がかかる(平均8か月):さまざまなソースシステムのデータを活用する複雑なオープンソースモデルのコードを最適化してモデルを展開するためには、技術サポートエンジニアによる標準展開作業に約1,440時間が必要
  • 投資効果(ROI)が低い:MLモデルの展開に要する時間を考えると、コンプライアンスMLモデルから継続的な価値を生み出すのは困難
  • 厳密さに欠ける:コンプライアンスモデルがデスクトップのオープンソースソリューションに配備されているため、MLOpsチームが、バージョン管理や、エンドツーエンドの継続的インテグレーションと継続的デプロイメント(CI/CD)で自動化されたMLパイプライン構築のために、アジャイルとDevOpsの方法論を十分に活用できなかった
  • コラボレーションができない:デスクトップソリューションで構築されたモデルでは、データサイエンティストとMLエンジニアの間で部門横断的なプロジェクトコラボレーションを推進することが困難

また、デスクトップソリューションに存在するモデルのみでは導入できないタイプのモデルもありました。例えば、モデル出力内で検出されたしきい値レベルや変化率に基づいて特定のアクションを実行するように設計された条件付きパイプラインなどです。

Dataikuを活用したアジャイルなモデル展開とAIガバナンス強化

同社は2022年春にMLOpsチームを結成しました。このチームの目的は、データサイエンティストと協力し、さまざまな部門横断型部門と連携して、MLモデル本番稼働化のエンドツーエンドの展開プロセスをサポートすることです。

mlops deployment infrastructure at dataiku customer in FSI

「Dataikuは、MLOps業務のスケーリングに非常に大きな役割を果たしました。Dataikuを活用することによって、わずか数か月で新しいMLOpsチームを立ち上げることができ、技術ドキュメントとDataikuナレッジチュートリアルを数日調べただけで、MLモデルを展開できるスタッフを採用できました。」

MLOpsチームは、プロセスのスケーリングと日常的な実行能力の向上のためにDataikuを選びました。MLエンジニアは、コンプライアンスモデルを以前のデスクトップソリューションからDataikuに迅速に移行して、適切なバージョン管理とプロジェクトガバナンスを確保することができました。

MLOpsチームはDataikuを利用して、ビジネスコミュニティー(125人以上の関係者)にミッションクリティカルなワークロードを大規模に実現する機会も提供しています。これらのモデルは、潜在的なリスクの検知に役立つだけでなく、意思決定に必要な情報も提供し、現地監理エージェントに必要な手作業の量を削減しました。

graphic confessions of an ML engineer's dataiku deployment journey

同社では、MLOpsとAIガバナンスのためのDataikuを活用して、次の具体的な成果を実現しました。

  • 同社がコンプライアンスモデルを本番環境に展開する総合的な効率が900%以上向上した
  • 展開までの時間を以前のデスクトップソリューションより90%短縮した
  • Dataikuのビジュアルレシピとグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を利用することで、MLエンジニアが記述するパイプラインプロダクションコードを75%削減でき、デプロイまでの時間全体の短縮に役立った
  • DataikuのビジュアルML機能を活用することで、本番環境用のモデルコードの最適化とリファクタリングにかかる時間を86%短縮でき、これもデプロイまでの時間全体の短縮に役立った
  • Dataikuガバナンスノードの導入により、本番稼働中の数十の機械学習モデルのポートフォリオを管理できるとともに、ピアレビューと関係者の承認を促進して適用できるようになった

また、コンプライアンスを支援する条件付きパイプラインも開発できました。これは以前のソリューションでは不可能だったユースケースです。MLエンジニアは、PythonのレシピとDataiku APIを使用して条件付きパイプラインをカスタマイズし、管理対象フォルダー間のデータの流れを制御できます。これにより、コンプライアンス基準を遵守するために、毎日のバッチスコアリング結果を過去のバッチスコアリング結果と比較する仕様を満たすことができます。

「Dataikuは分析ソリューションの精粋であり、アナリスト、科学者、エンジニア、その他の技術専門家が参加する部門横断的なチームコラボレーションを促進します。このソリューションは、分析やデータサイエンスのワークロードを、開始から本番稼働まで、迅速かつ効率的にスケーリングすることに重点を置いています。」