背景:ビジネス課題
Elementのラボチームは、バッテリー試験結果を手動でスクリーニングしており、これは顧客へのデータ提供後になることがありました。充放電試験の実施時に、試験装置(サイクラー)、接触不良、内部故障によるバッテリーユニットの誤動作などの異常が発生することは残念ながらよくあり、25%~30%のケースで発生します。
Elementの顧客は、オンラインプラットフォームを使用して試験結果を確認できます。顧客はそこで分析機能を使用して、バッテリー試験結果の異常を視覚的にスクリーニングすることができます。ラボでは、顧客から要望があった場合に無料で再試験を行いますが、これには人件費がかかり、収益を創出するサイクラーチャネルを使用することになります。
解決策と方法:Dataikuを使用するソリューション
そこでElementのチームは、機械学習と統計に基づくアプローチでこの課題を解決することにしました。Dataikuを採用することで、バッテリー試験結果の異常をほぼリアルタイムで自動的に検出できるようになり、担当者は早い段階で試験中断のタイミングを知ることができるため、技術者のリソースを大幅に節約できるようになりました。
具体的には、ElementがDataikuを活用して構築した中間サービスによって、これまで数時間かかっていたバッテリー試験結果のスクリーニングを数秒でできるようになりました。 ストリーミングデータに対して行う統計的検査で信号の異常を検出します。問題が発生した場合は、すぐにスタッフが調査して状況を修正し、バッテリーユニットに欠陥がなければ試験を再開します。バッテリーユニットに欠陥がある場合は、顧客に返却するまでユニットを安全に保管します。
顧客の待ち時間が短縮されて顧客離脱率が改善するなどの効果に加え、Elementは、実質的で定量化可能な投資効果(ROI)を次のような形で実現できました。
バッテリー試験結果のスクリーニングを最大95%削減することで、技術者の時間を90%節約して他の価値の高い作業に費やすことができるようになりました。
早い段階で試験を中断することで、スタッフの安全性が向上し、試験のスループットが最大25%向上しました。
驚くべきことに、チームは3か月で実用最小限の製品(MVP)の開発とテストを終え、この1つのユースケースから実質的価値を獲得した結果、プロジェクトは6か月で損益分岐点に達しました。